教えてモーフィアス

なんちゃってブックレビュー

倉田百三 『出家とその弟子』

 

僧侶の愛

 

みなさまこんにちは。タヌキです。

ゴールデンウィーク、終わっちゃいましたね・・・。

タヌキは仕事だったし、モーフィアスはずーっと部屋で文献と格闘していたので、

世間様並みのお休みはなかったのですが、

終わっちゃうとなんだか寂しいような感じがしますね。

 

タヌキも東京に暮らし始めてもう今年で3年経つのです。

なんだかとても感慨深いです。

 

タヌキが東京に出てきてしばらくした頃、世の中の諸々を信じられなくなって、

やさぐれてしまった時期がありました。

 

そのとき、モーフィアスがそっと手渡してきたのがこの本でした。

倉田百三 『出家とその弟子

 

この本は、浄土真宗の開祖である親鸞と、その弟子として

歎異抄』を記した唯円に関する物語です。

 

浄土真宗をベースにしたお話ですが、

内容はほぼキリスト教です。

お坊さんが愛について、深く、深く教えてくれます。

 

この『出家とその弟子』は、海外でも多く翻訳され、

特にフランスのロマン・ロランは、この作品を読んで、

倉田百三を含む日本の文芸活動に大いに興味を持ちました。

 

今は絶版になっているっぽいのですが、

岩波文庫から出版されている『出家とその弟子』には、

末尾にロマン・ロランによる解説が載っており、それも大変興味深く、面白いです。

興味のある方は是非、古本屋さんでチェックしてみてください。

 

 

さてさて、物語の中で、

親鸞の弟子の唯円には、かえでというガールフレンドがいるのですが、

身分の違い故に二人はとても苦しみます。

そんな中、かえでが口にする一言に私は痛く共感しました。

 

「むつかしいかおをして、美だの、実在だのと、私にはよくわからないような事をおっしゃる時の彼の方が、一等好きなのよ。」

 

照れ

ぽんぽこ